October 3, 2016

レポート『バンクーバー国際映画祭』

9月30日、カナダ・バンクーバー国際空港に降り立つやいなや、ボランティアスタッフに真っ先に連れて行ってもらったのは映画祭会場、ではなく観光地!
初日は「キャピラノ吊り橋」を観光して、夜は日本作品、塩田明彦監督の『約束』『昼も夜も』、小松孝監督の『食卓』、野辺ハヤト監督の『affordance』を鑑賞し、映画祭プログラマーを交えての懇親会ではとても楽しい時間を過ごしました。
初めての北米ということで緊張気味だった監督も、日本人ボランティアスタッフの皆さんや他の監督たちとの交流でリラックスできたようです。
バンクーバー国際映画祭は最高のホスピタリティを誇ることで有名で、海外映画祭初心者にはオススメの映画祭なのだとか。
翌朝も、バンクーバー美術館でピカソ展や常設展示を見たり、サーモンを食べたり、バンクーバーを満喫する一行ですが、いよいよこの日は『仁光の受難』ワールドプレミア上映日!
徐々に緊張も高まり、最終的にガチガチになりながら会場に向かいます。

『仁光の受難』の前評判は想像を遥かに超えて良く、前売り券は完売、当日券も即完、キャンセル待ちに長蛇の列という有様でした! 地方紙に「どの映画を観ればいいか分からないやつはコレを観ろ!」的な特集で紹介されていたこともあるかもしれませんが、無名の新人監督作品にこうも人が集まるとは! 監督もずっと「え、なんで?」と困惑していました。

当然、劇場内は満席! ついに『仁光の受難』世界初上映です!
上映中はいくつかのシーンでたくさんの笑い声が起き、監督も安堵して上映を見守っていました。
そして、エンドロールが流れ始めてからの拍手喝采! もうこれだけでもワールドプレミアは大成功と言っていいでしょう!
Q&Aでは、ボレロを使用した意図、アニメーションを自分で手がけたというのは本当か、影響を受けた作家は誰だ、などなどたくさんの質問を受けました。が、監督は極度の緊張であまり覚えていないようです。笑

翌日、2回目の上映は街中の大きなシネコンでの上映でした。ハリウッドの大作映画が上映しているような賑やかな場所に、映画祭のスポンサーであるレクサスの車に乗って向かいます。
前日と同様の長蛇の列! そして、前日とは見違えるほどリラックスしまくりの監督!
余裕のダブルピースで上映に臨みます。(ちなみに海外でダブルピースをすると「君はまるでティーンエイジャーだな」とあきれられるたりするようです。いや、日本でも同じか…) 初回同様、大きな拍手で上映が終わりました。Q&A時の手振りや身体の傾きに監督の余裕が感じられますね! 調子に乗っているように見えますが、ちゃんと真摯に受け答えしていました。
上映後は3本のインタビューをこなし、他の日本人監督や映画祭スタッフの皆さんと最後の晩餐会。やりきった後のお酒は美味しく、とても楽しい夜でした。

そしてあっという間に帰国の日です。
振り返るとバンクーバー国際映画祭はとても素晴らしい映画祭でした。最高のおもてなし、最高の上映環境、最高の観客、その中でワールドプレミアを行えて『仁光の受難』はとても良いスタートを切れました。ぜひ再びこの地を訪れたいですね。
※ちなみに『仁光の受難』は好評につきこの後追加上映が決定しました。

バンクーバーでの成功を自信に変えて、次はアジアプレミア上映に釜山国際映画祭へ赴きます!